SUSONOプレイリストの次のテーマは「おでかけ」や「外出」に関する曲にしましょう! という話がでてきたとき、真っ先に僕は追加したい曲があった。ただ、残念ながらB'zはまだサブスクリプションを解禁していないし、コメント欄に書こうと思ったら長くなってしまったので、ちょっと別枠で語らせて頂ければと思っている。

B'zとはボーカル・稲葉浩志とギター・松本孝弘の日本を代表するロック・デュオである……というくらいの説明で多分大丈夫だろう。そんな彼らが1994年に発表した7枚目のオリジナルアルバム「The 7th Blues」に収録されているのが「おでかけしましょ」という曲である。

▼ 歌詞 ▼


さて、改めて聞きいてみて驚いた。なんと痛快さあふれる曲なのだろう。なんせ歌いだしが「デマだぜ」であり、〆が「ウソが減ると良いね」である。そして、「情報の波に溺れる人」や「頭でっかちな人」をガンガンなじる。まだネットが普及していなかった四半世紀以上前の曲なのに、自粛やらステイホームに慣れきった我々に突き付けるメッセージは、とても適切なのが驚きである。

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もう一点、この曲を聞き返すのにあたって思うのが「The 7th Blues」というアルバム自体についてである。
B'zファンにとって「The 7th Blues」というアルバムは「暗黒時代」のアルバムなのである。通しで聴いてみるとよりわかるのだが、「B'zらしくなさ」があふれている。

まず、有名なシングル曲が入っていない。このアルバムの前に発売されたシングル曲と言えば「愛のままにわがまままに 僕は君だけを傷つけない」と「裸足の女神」だが、「Don't leave me」のみに止まった。これまでのアルバムが有名シングル曲に引っ張って作られていることを踏まえると、大きな違いである。

次に、音楽の系統が大きく変わった。より洋楽に近いハードロックは、これまでのB'zとは少しテイストが違った。先進的ではあるのだが、それが行き過ぎてギャップが生じてしまったのだ。このアルバム後に出された「love me, I love you」や「LOVE PHANTOM」が再び売れ線に戻したことと比べても、非常に落差がある。

最後に、曲の躁鬱が激しい。「LOVE IS DEAD」「未成年」「闇の雨」「破れぬ夢を引きずって」というタイトルを見て、元気を出す曲と考える人は少ないだろう。その合間に今回紹介した「おでかけしましょ」や「JAP THE RIPPER」や「もうかりまっか」という躁に振り切った曲があり、さらにその合間に「赤い河」と「春」という宇宙やら季節やらがテーマの、やたらとスケールが大きすぎる曲がある。このジェットコースターがCD2枚組で合計20曲収録されているのだ。

そんなこともあり、「The 7th Blues」はセールス的にも大苦戦。しばらくは日陰の存在として扱われていた。

だが、「The 7th Blues」に再び光が当てられつつある。10年ほど前から収録曲がライブで定期的に披露されたり、ベストアルバム収録曲を決めるファン投票でも上位に出たり……。「ライブ向きの曲が多く、最近の傾向と合致している」とか「B'z自体がその後も色々な曲を発表する中で、『The 7th Blues』のテイストにファンが慣れてきた」などなど、諸説あるが、正しい理由はわからない。
ただ、しっかりとしたモノを創っていれば、何らかのキッカケで芽を出すことができる。「今ヒットする作品」を創れるのも強みだが、「いつかヒットする作品」を創れるのも、B'zが偉大なクリエイターであることの証左ではないだろうか。

さて、肝心の二人は自粛期間中に「HOME」を歌っていたわけですが……いずれライブで「おでかけしましょ」を歌ってくれるはずだ! と、期待しても良いですよね?